おバカなSide stories♪◆◆◆vol.01
▽月のにっき(1年4くみ//壬生そう二)
▽月#日(はれ)
このごろぼくはちょっとなやんでいる。れん二やひまわりと一しょにいるとまるで小じゅうとみたいにあれこれ注いしてしまうからだ。ほうっておくとすぐにれん二がひまわりにいじめられてさわぎ出すから、ゆっくりどくしょもできない。それはいいとして、あの二人と一しょにいるとぼくもあんなやつとおもわれるのがつらいところだ。この日記はきっとぼくのくろうをかきのこすものになるだろう。

▽月≫日(あめ)
長さわさんの代わりに一にいちゃんが空手のし合に出ることになって、このごろよくかえってくるようになった。たまに京おじさんもきてくみ手のれんしゅうあい手をやってくれている。どうじょうのみんなは二人のれんしゅうを見るのがたのしみみたいだ。とくにれん二とひまわりは大よろこびで、一にいちゃんがれんしゅうしているよこでわーわーとうるさい。
お父さんはさいしょは注いしていたけどこのごろはあきらめてなにも言わなくなった。だってお母さんやみかんおねえちゃんやみるくおねえちゃんまで見に来てさわいでるんだもの。さくらおばちゃんはおかしのさし入れまでもってきてるし……。一にいちゃんは「人のれんしゅうを花見かなんかとまちがえてんだろっ」とあきれていたけど、そんなにいやでもなさそうに見えた。ぼくも久しぶりにみんなあつまってちょっとうれしかった。
でも一にいちゃんも強いけど、やっぱり京おじさんはとてもうまいなぁと思った。一にいちゃんはほかの人とれんしゅうしてるときはよゆうみたいだけど、あい手が京おじさんになると顔がすごくしんけんになっている。お父さんも二人がれんしゅうしてる時はなんだかいつもよりこわい顔で見ている気がする。
でもれんとひまわりはそんなコトぜんぜん気づいていないみたいだけど…。

▽月∈日(くもり)
休み時間ちょうどれんとひまわりがトイレに行っている間におなじクラスのゆいがそらさんっていう女の子に「そうじくんはれんじくんとふたごなんだよね?どっちがおにいちゃんなの?」と聞かれた。ボクたちはよく「どっちがおにいちゃん?」って聞かれる。先にお母さんのおなかから出てきたのはれんだったらしいけど、お父さんもお母さんもボクたちは双子なのにどっちがおにいちゃんってきかれるのがすごくいやだったみたいだ。ボクも同じ日に生まれたのにたまたまれんが先におなかから出ただけでボクがおとうとだっていうのにはなっとくできない!!まぁボクよりおちついてしっかりしてれば少しは考えてもいいけどね…。でもただでさえ一にいちゃんだけでもタイヘンなのに、これいじょうせわのやけるにいさんなんていらないってば……。
ゆいがさんには「ボクたちは双子だからどっちがおにいちゃんでもおとうとでもないよ。それをきかれるのが一ばんいやだからもうきかないでくれよ」と言っておいた。でも本人は「ちょっときいてみただけじゃん。そんなのあんまり気にしなくていーんじゃなーい」って言うし…。人のことより自分のじこ中心的でお気らくなせいかくをもっと気にした方がいいんじゃないのか……。

▽月∂日(はれ)
この前れんがひまわりにカエルを投げつけられた時にはずみでれんのおもちゃがこわれてしまった。二人は大ゲンカになってそれからボクたちはひまわりとあそんでいない。あの二人がケンカするのはいつものことなんだけど、今どはれんの一ばんお気に入りだった合体ロボがこわれたのでとてもショックだったみたいだ。食よくもないみたいでずーっとないてばっかりいる。お母さんが何をいってもしくしくないている。おとうさんはあんなせいかくだから「こわれたものはしかたない」って言っちゃって、またれんはないてしまった。ボクもなぐさめたけどききめがない。しかたないので一にいちゃんにでん話したけどるすだった。京おじさんが話をきいてれんとでん話でちょっと話していたけど、れんは時々うなづくだけでなきっぱなしだったので、京おじさんになにを言われたのかわからなかった。そのあとはちょっとなきやんでたけど、やっぱり今日もねるまでずーっとだまっていた。
そういえば一にいちゃんからでん話かかってこなかったなぁ…。またわすれてマージャンやってんだろうなぁ、きっと……。

▽月μ日(はれ)
きのうかられんが少し元気になったような気がする。たぶんきのうのあさボクたちがおきる前に一にいちゃんからでんわがかかってきたからだ。おかあさんが「れ〜ん、お兄ちゃんからでん話よ〜」って言ったのでボクもれんもとびおきた。きのうはお店の用じで出かけたんだって。かえってきてからなんだかいそがしくてでん話するヒマがなかったから、あさボクたちががっこうに行く前にでんわくれたみたいだ。れんは一にいちゃんとはなせて久しぶりににこにこしていた。ボクもさいごにちょっと一にいちゃんと話した。そしたらよるに一にいちゃんがとつぜん帰ってきた。あさでん話したばっかりだったからボクもれん二もビックリした。用じでちかくまで来たからちょっとよったって言ってたけど、ホントはれんのようすをみにきてくれたみたいだ。れんがちょっとトイレに行ってるあいだに、一にいちゃんはボクがお店にでん話した日にあとでみかんおねえちゃんのけいたいにでん話したって言ってた。ひまわりはケンカしたあとからお手つだいやしゅくだいをちゃんとやっていて、みんなすごーくおどろいてるらしい。ボクもそのはなしをきいてびっくりした。一にいちゃんはボクに「ひまわりはイジっぱりだし、れんもあれでなかなかガンコだからなぁ、まぁおまえがたよりだからよろしくたのむわ」って言ってたけど、それってぜんぶボクにおしつけてない?もう少し長男としての自かくをもってほしいよ…。

▽月∴日(くもりときどき雨)
この前ひまわりがやってきてれんに合体ロボをくれた。ひまわりがいっしょうけんめいしゅくだいやお手つだいをしてたのはべんしょうするためだったんだ、とボクは気づいてまたビックリした。れんもおどろいていたけどうれしそうだった。でもなかなかうけとろうとしなかったので、ひまわりと二人で「いいよー」とか言い合っていたからボクがよこからさらっていったら二人でおいかけてきた。そしてまたボクたちは一しょにあそんだ。やっぱり三人であそんだほうがたのしいなあ。
よるねる時にトイレに行こうとしたらお父さんとお母さんが話しているのがちらっと聞こえたのでこっそり聞いてしまった。ひまわりはこの前れんにあげた合体ロボをなくしたって言ってらんおじさんにおこられたらしい。でもひまわりが本当のことを言ったらおじさんはわかってくれて、またひまわりに合体ロボをかってくれたみたいだ。お母さんは「ひまくんらしいわね〜」って言いながら「双子っていうよりあの子たちは三つ子みたいなものだしねぇ」ってうれしそうに言ってた。よく見えなかったけど、お父さんは珍しくなんだかにっこりしてたみたいだ。たぶん心の中では気にしてたんだなぁと思う。でもお父さんがぼそっと言ったのをボクはしっかりこの耳で聞いた。「ひまわりはだんだん一ににてきたな、とくにすなおじゃない所は」だって。お母さんはそれをきいてすごくわらっていた。でもそういうお父さんと一にいちゃんもにたものどうしだと思うけどね。ボクもおかしくなったけど、聞いてるのがばれるといけないからガマンしてへやにもどった。れんはいつも合体ロボと一しょにねているから今日もにこにこしてとなりにおいていた。そしてれんはとつぜんボクに「ねぇねぇひまわりってほんとはやさしいやつだよね」って言った。だからボクが「そりゃあおれたちのおさななじみだからな」って言ったられんはにっこりして「そうだねー」って言ったあとに、「…………でも合体ロボくれたときはなんだか一にいちゃんみたいだったなぁ」ってお父さんとおなじことを言ったのでボクはもうおかしくてわらいがとまらなかった。

作者アトガキ◆◆◆
湊二って実質的には壬生兄弟の長男だなー。アニキよりうんとしっかりしてるし。(笑)



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